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世界で金利上昇 日銀の緩和修正、引き締めの広がり意識(写真=代表撮影) - 日本経済新聞

【ロンドン=大西康平、ニューヨーク=斉藤雄太】世界の債券市場で20日、金利上昇の波が広がった。米国やドイツ、英国の国債利回りが軒並み上昇(価格は下落)し、欧州の金利は約1カ月半ぶり高水準をつけた。主要な中央銀行で唯一金融緩和を続けていた日銀が事実上の緩和縮小を決めたことで、世界的な金融引き締めの広がりが意識されている。

20日の米債券市場では長期金利の指標になる10年物国債利回りが一時、3.7%台と前日から0.1%超上昇した。11月末以来3週間ぶりの高水準を記録した。欧州市場でもドイツの長期金利が一時約2.31%、英国は3.66%、スペインは約3.41%になり、それぞれ0.1%以上高くなった。いずれも11月上旬以来の高水準だ。

米運用会社ナベリアの最高投資責任者(CIO)、ルイス・ナベリア氏は「日本が本当のサプライズをもたらし、世界中で長期金利が上昇した」と指摘する。

日銀は20日の金融政策決定会合で長期金利の誘導目標を修正し、変動を認める上限を0.25%から0.5%に引き上げた。これまで日銀は大規模緩和を堅持する姿勢を強調し、米ゴールドマン・サックスや英バークレイズなど欧米の主要金融機関もそろって緩和維持の予想を示していただけに、多くの投資家は虚を突かれた格好となった。

先週は米連邦準備理事会(FRB)が利上げ幅を0.5%とこれまでより縮める一方、最終的な政策金利の到達点は市場想定より高くする見通しを示した。欧州中央銀行(ECB)も大幅利上げを続ける姿勢をみせた。

日本は低金利で資金を調達できる数少ない国とみられていたが、日銀による長期金利の上昇容認で「世界の債券市場のアンカー(金利を低くとどめるいかり)が解除された」(ドイツ銀行)との受け止めが広がった。世界的な金利一段高への懸念から、国債を手放す動きが相次いだ。

日本の投資家は低金利の続いた国内ではなく、海外の金融資産に資金を振り向ける動きを長年続けてきた。日銀の政策修正で国債利回りが上がり、投資先としての魅力が増せば「日本勢は外国債券の売却と日本への資金還流を進める可能性がある」(三菱UFJ銀行のデレク・ハルペニー氏)との見方も浮かぶ。

一方、米債券運用大手PGIMフィクスト・インカムのチーフ投資ストラテジスト、ロバート・ティップ氏は「中銀の政策変更には金利の大幅な上昇がつきものだ」と話す。日銀が力ずくで低利に抑え込んできた日本の国債市場は「人々が思っているほど安全でない可能性があることが浮き彫りになった」と指摘し、日本勢の外債投資は続くとみる。

各国中銀の政策が大きく動くなか、世界の金利の変動率も高止まりが続きそうだ。

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