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IMF、世界成長見通し3%に上方修正-リスクバランスは依然下向き - ブルームバーグ

国際通貨基金(IMF)は今年の世界経済の成長見通しを上方修正した。米国がデフォルト(債務不履行)を 回避し、米欧の当局が 銀行危機を食い止めたことから、ここ数カ月でリスクは和らいでいるとの見方を示した。

  IMFは25日発表した最新の 世界経済見通し(WEO)で、2023年の世界経済成長率予想を3%に引き上げた。昨年の3.5%成長からは減速だが、4月時点予測の2.8%よりは高い。

Economic Output Is Set to Slow This Year, but Not Equally | Forecast for 2023 gross domestic product, change from a year earlier

  IMFは「米国の債務上限問題が最近解決し、今年前半には米国とスイスで銀行の動揺を抑えるために当局が強力な行動を取ったことで、金融部門の当面の混乱リスクは軽減された。これにより、見通しの下振れリスクは緩和された」と説明した。

  来年の世界経済成長率見通しは3%に据え置いた。

  米経済がソフトランディング(軟着陸)する可能性があるとの声が強まっているが、IMFもこの見方に同意している。ブルームバーグが今月行った調査でエコノミストは4-6月(第2四半期)、7-9月(第3四半期)の米成長率予想を上方修正した。それでもエコノミストらは、1年以内に米国がリセッション(景気後退)に陥る可能性は60%あるとみている。

  IMFは世界経済についてやや楽観的になっているものの、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以前の20年間の平均成長率3.8%と比較すると、成長は弱いとみられ「世界の成長に対するリスクバランスは依然として下向きだ」と警告した。

インフレ重視

  金利上昇はインフレ抑制につながりつつあるが、経済活動の重しとなるだろうとした上で、ウクライナでの戦争激化や気象災害のような追加の衝撃は一段の金融引き締めをもたらし得ると分析した。

  IMFはまた、金利上昇と中国の予想以上の回復の遅れ、新興国の債務問題、ロシアのウクライナ侵攻と米中関係緊張で加速している地理経済的分断による貿易への脅威の中で、金融の安定性に対する継続的なリスクを挙げた。

  ブルームバーグ・エコノミクスの世界成長率の基本予想は、今年が2.8%、2024年が2.7%。22年の3.3%から低下し、パンデミック前のトレンドである3.4%を下回るとみている。

  IMFは、金融引き締め政策が功を奏したとしても、ほとんどの国で優先されるのは持続的なディスインフレの達成に変わりはないとし、中央銀行は物価安定の回復と金融監督・リスク監視の強化に集中すべきだと付け加えた。

  今週は米連邦準備制度と欧州中央銀行(ECB)が追加利上げの構えを見せており、金融当局はIMFの提言を実践する見込みだ。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長とラガルドECB総裁はともに、インフレ率は依然として高過ぎると警鐘を鳴らしている。

Fed Chair Powell Holds News Conference Following FOMC Rate Decision

パウエルFRB議長

Photographer: Sarah Silbiger/Bloomberg

  IMFは世界のインフレ率が22年の8.7%から今年は6.8%(4月時点予想は7%)に減速するとみている。同時に、24年のインフレ率予測は0.3%ポイント引き上げ5.2%とした。食品とエネルギーを除いたコアインフレ率の低下が、従来より緩やかなものにとどまるとみている。

  IMFは昨年の3.5%からの世界経済の成長鈍化は先進国経済が中心になっているとの見方を示し、特に製造業の不振がサービス業の堅調を打ち消していると指摘した。一方、途上国や新興国の経済活動については今年と来年を通じ安定を予想した。

  米国の今年の成長率は1.8%と予想し、4月時点から0.2ポイント引き上げた。24年には1%に成長が減速すると見込んでいる。

  中国については今年5.2%成長との前回予測を据え置いたものの、不動産業界の軟調が投資に打撃を与えているほか、外需の低迷と若年層の失業率上昇もあり、年初のパンデミック後の経済再開に伴う回復が鈍化していると警告した。

  日本は1.4%成長と、4月時点での予測から0.1ポイント上方修正。24年については1%成長を予想した。

IMF Lifts 2023 GDP Forecasts for Most Major Economies

Fund's biggest upward revisions are for Brazil, Russia, UK

Source: International Monetary Fund

  その他の23年の国別見通しは以下の通り:

  • 英国は0.4%成長と0.7ポイント引き上げ。予想を上回る消費とエネルギー価格下落、欧州連合(EU)離脱後の懸念の低下、金融セクターの回復力を指摘
  • ロシアは0.8ポイント引き上げ1.5%成長と予想。財政刺激策にけん引された小売業、建設業、鉱工業生産の好調な上期を反映した
  • ブラジルは1.2ポイント引き上げ2.1%成長と予想。年前半は農業生産が増加し、サービス部門の活動も活発化したと指摘
  • ドイツは0.3%のマイナス成長の見込み。従来予想は0.1%減だったが、製造業生産の低迷と1-3月(第1四半期)の景気縮小を織り込んだ
  • サウジアラビアは4月と6月に発表した 石油減産を反映して1.2ポイント引き下げ1.9%成長と予想

原題:IMF Lifts World Growth Outlook on US Stability, But Risks Linger(抜粋)

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July 25, 2023 at 08:00PM
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