＜Q&A＞東京電力が値上げを申請へ今までとは何が違う？電気料金が決まる仕組みは？：東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

　東京電力は、来週にも家庭向け規制料金の値上げを経済産業省に申請する方針です。値上げの仕組みをまとめました。（砂本紅年）

　Q　電気料金はどのように決まりますか。

　A　契約アンペア数で決まる「基本料金」に、使った電力量に応じて計算する「電力量料金」、太陽光発電などを普及させるための「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を加えた合計です。家庭向けの電気料金には、東電が値上げを申請する「規制料金」と、「自由料金」の2種類があります。

　Q　規制料金とは何ですか。

　A　2016年の電力小売り全面自由化前からある、東電など大手電力10社の電気料金です。燃料調達や発電・送配電のコスト、人件費など電力の供給に必要な費用を積み上げ、料金に反映させる「総括原価方式」を採用しています。国は事業者間の競争が十分に進めば、規制料金を廃止する予定です。

　値上げをするには経産相の認可が必要です。国は、電力会社の経営効率化の取り組みや保有資産の活用などを数カ月かけて審査し、値上げ幅が適切かどうか判断します。

　Q　ただ毎月、電気料金の上げ下げのニュースを見ます。

　A　電気料金の中の電力量料金には、燃料価格の変動を毎月反映させる「燃料費調整額（燃調）」が含まれています。規制料金では反映できる額に上限があります。毎月のニュースで報じられるのは、この燃調の話です。今回の値上げは、料金全体を抜本的に見直すものになります。

　Q　それでは自由料金とは。

　A　自由化後にできた料金です。大手電力が独占していた電力事業に他業種からも参入可能となり、電力会社の裁量で料金を決められるようになりました。新規参入した電力会社（新電力）の料金プランはすべて自由料金で、大手電力にもあります。時間帯別料金や、電気とガスをセットで契約すれば割引になるといったプランです。自由料金の値上げは、国の認可は必要なく、事業者の判断でできます。