電気自動車（ＥＶ）メーカーの米 テスラが25日に発表した昨年10－12月（第４四半期）決算では、利益が市場予想を上回った。
調整後１株利益は1.19ドル。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均は1.12ドルだった。
テスラは複数年で年平均50％の成長を目指す従来のガイダンスに沿う形で「できるだけ速やかに」増産する方針を示し、今年は約180万台を納車する方向にあると説明した。これは約37％の増産に相当する。
イーロン・マスク最高経営責任者（ＣＥＯ）は決算発表後のアナリスト向け電話会見で、この見通しは控えめだとし、予想外の混乱がなければ200万台に近づく可能性があると語った。
マスク氏は「投資家から最も多く受ける質問は需要についてだ。そうした懸念を私は解消したい」と発言。テスラでは現在、生産ペースの２倍近い受注が見られるとし、「自動車市場全体で縮小が見込まれる中でも需要は好調だ」と述べた。テスラは現在、３大陸で４工場を持ち、年間190万台余りの生産能力があるとしている。
決算発表後の時間外取引でテスラの株価は上昇し、ニューヨーク時間午後７時７分（日本時間26日午前９時７分）時点は5.4％高で取引された。
Tesla's Big Step Up in Production
The carmaker roughly doubled its stated capacity in 2022
Source: Company statements
テスラは2022年に生産能力を２倍に拡大した。同社は待望のピックアップトラック「サイバートラック」の組み立てをテキサス州オースティンの工場で年内に開始する方向になおあることを確認した。次世代車両プラットフォームの詳細は３月１日に開催予定の投資家デーで示す。マスク氏はサイバートラックの量産は24年まで実現しないと述べた。
Inventory Surplus
Tesla production exceeded deliveries by over 34,000 vehicles last quarter
Source: Company statements
10ー12月期の売上高は243億ドル（約３兆1500億円）で、市場予想を若干上回った。ただ、自動車事業の粗利益率は25.9％と、アナリスト予想平均の28.4％を下回った。同社は最近、一連の値下げを発表しており、投資家の懸念材料となる可能性がある。前年同期の同事業の粗利益率は30.6％だった。
テスラの10－12月（第４四半期）決算
Markets: The Close.”
マスク氏は電話会見で、22年はテスラの中国工場閉鎖や借り入れコスト上昇、物流問題の影響で厳しい１年だったとコメント。最近の値下げは一般大衆に手の届く価格にする必要性を踏まえたものだと付け加えた。
環境規制に対応する温暖化ガス排出枠（クレジット）の他社への販売は４億6700万ドルで、７－９月期の２億8600万ドルから増加。前年同期は３億1400万ドルだった。テスラは他社が排出規制や需要増加に対応してＥＶ投入を増やしているため、クレジット収入が今後、減少する見通しを示した。
マスク氏がツイッターを昨年10月に440億ドルで買収して以来、アナリスト向けの会見に臨んだのは今回が初めて。マスク氏が買収資金調達の一環としてテスラ株を売却したことは株価の重しとなっており、過去１年間では53％下落した。マスク氏は高くつく気晴らしだと指摘されたツイッター買収について、同プラットフォームで１億2700万人のフォロワーがいる点に言及し、トータルで考えればプラスの効果があると述べた。
原題： Tesla Seeks Rapid Output Boost, Sees 1.8 Million 2023 Deliveries、
Tesla Seeks Rapid Output Boost as Profit Beats Estimates (1) (抜粋)
(マスク氏の見解や株価などを追加して更新します)
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January 26, 2023 at 04:39AM
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