ロシア国防省は2日、ウクライナ東部ドネツク州に駐留していたロシア軍部隊が砲撃され、兵士63人が死亡したと発表した。ウクライナ侵攻を巡り、ロシアが自軍の大規模な犠牲者を明かすのは異例といえる。一方、ロシア国内では軍の対応への批判も出ており、停滞する軍事作戦への不満が露呈している。
ロシア国防省は通信アプリ「テレグラム」への投稿で、ウクライナ軍がドネツク州南部マケエフカにある自軍の駐屯地に向け、高機動ロケット砲システム「ハイマース」で砲撃してきたことを明かした。発射された6発のうち2発を迎撃したが、残りは防げず、63人が死亡したという。
攻撃された日時には言及されていないが、ロシアの傘下に入るドネツクの当局者は、新年を迎えた直後の1日午前0時1分に攻撃されたと主張している。
ウクライナ軍の参謀本部は2日早朝の時点でマケエフカへの攻撃と戦火を明かしていた。2022年12月31日に攻撃し、約400人の死者と約300人の負傷者を出す戦果があったとするなど、ロシア側の説明とは異なる。
ウクライナ侵攻の軍の犠牲者を巡り、ロシア軍は22年9月、それまでに5937人が死亡したことを明かした後は発表を控えている。ウクライナ側の説明とは異なるが、今回は60人を超す死者を認めたことから、異例の対応となった。ウクライナ側が戦果を発表したことから、自軍の犠牲を認めた可能性もありそうだ。
多くの犠牲者を出したことを受け、ロシア上院国際委員会のカラシン委員長はテレグラムに投稿。「NATO（北大西洋条約機構）から兵器を支援されて、キエフの政権は我々の国民への犯罪にくみした」と批判。「何十人というロシア兵が大みそかに、冷酷に殺されたことを忘れてはならない」と報復を訴えている。
一方、ロシア国内の好戦派の論客らは、多くの犠牲者を許す形になったロシア軍の対応を批判している。テレグラムへの投稿では、攻撃された部隊が無防備な学校の校舎を兵舎としてきた点を取り上げ「敵を直接に助けるような行為だ」とも書き込まれた。
ロシアではウクライナ侵攻を批判する報道が禁じられているが、戦況が悪化して以来、軍事ブロガーと呼ばれる論客らにより、軍の対応を批判する投稿が目立つようになっている。【大前仁】
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January 03, 2023 at 07:38AM
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駐屯地に砲撃、ロシア兵63人死亡 異例の発表 ウクライナ東部 - 毎日新聞
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