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<ぎろんの森>国民の苦境が見えてますか:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

 臨時国会が始まりました。最大の論点は岸田文雄首相が打ち出した「物価高による国民の負担を緩和する」ための国民への還元策です。

 税収の増収分の一部を財源に、1人当たり4万円の減税を来年6月から行うというもので、所得税・住民税が非課税の低所得世帯には1世帯7万円を年内に給付します。

 暮らしの苦境を和らげるため、減税や低所得者への給付自体は一般論としては歓迎すべきですが、今回の還元策には見過ごせない問題点があります。論説室内の議論でも厳しい指摘が相次ぎました。

 まず昨年、首相主導で方針を決めた防衛力を抜本的に強化する予算を確保するための「軍拡増税」との関係です。そもそも増税しながら減税するとは支離滅裂です。批判を受けて、増税は2025年度以降に先送りされましたが、減税の後には依然、増税が待ち構えます。国民の負担を緩和するというなら、軍拡増税は撤回するのが筋です。

 さらに、国民の負担を緩和すると言いながら、実際に減税されるのは半年以上も先です。即効性はありません。

 そもそも減税は1年限りとされます。1年で国民の負担を緩和できるというなら、根拠となる経済見通しや政策があるはずが、首相の口からそれを聞くことはありません。

 それでも首相が方針を変えないのは、減税を行う来年6月ごろ、衆院解散・総選挙に踏み切ろうとしているからではないか、と勘繰ってしまいます。減税を選挙対策に利用しようと考えているのなら、党利党略そのものです。

 24日の社説「首相『減税』表明 一貫性も整合性も欠く」は、こうした議論の内容を反映したものです。

 首相が国民の苦境を理解しているのかも疑問です。減税表明前、都内のスーパーマーケットを視察しましたが、それだけで生活の苦しさが理解できたとは思えません。

 税と社会保障負担を合わせた「国民負担率」は23年度に46・8%に達します。1970年度は24・3%ですので率にして倍近い負担増です。

 この際、場当たり的で選挙対策のような減税ではなく、税と社会保障を合わせた国民の負担をどう軽減するか、過度な円安や資源高に対応するにはどうすべきか、根本から議論すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 (と)

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