新型コロナウイルスの感染拡大を受け、北海道教育委員会は26日の道議会文教委員会で、道内全ての公立小中学校を27日から一斉に臨時休校とするよう26日中に市町村側に要請すると明らかにした。道関係者によると、数日間程度とみられる。道内には約1600の公立小中学校があり、全て休校となれば異例の事態となる。

道教委は、道内の私立の小中学校に対しても道を通じて同様に休校を要請するとしている。

文部科学省は25日、同じ市町村の学校で新型コロナウイルスの感染者が複数確認された場合、感染者がいない学校も含め、市町村単位で休校や学級閉鎖などの検討を求めるガイドラインを各都道府県教委に出した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた大規模な一斉休校は初めてで、全国の教育委員会の判断に影響を与えそうだ。

26日の文教委員会で道教委の平野正明教育部長は一斉休校について「学校における衛生環境の確保に向け万全を期す」と述べた。高校への休校要請は年齢的に生徒各自で必要な予防策が一定程度判断できるとして見送る方針。

道内では25日までに計35人の感染が確認された。中富良野町の小学校に通う兄弟や苫小牧市の女子高校生のほか、愛別町のスクールバス運転手、江別市の中学校教員など教育現場が関連した感染が相次いでいる。

鈴木直道知事は25日夜に開いた道の対策本部会議で道教委の佐藤嘉大教育長に「休校を検討してほしい」と求めていた。

兄弟2人の感染が確認された中富良野町の町立小学校は、3月3日までの休校を既に決定。江別市教委も感染が判明した男性教員が勤務する市立中学校を3月6日まで臨時休校にしている。

また、道教委と札幌市教委は25日に私立を含む道内の全学校に、卒業式の時間を短縮したり、保護者や卒業生以外の在校生など出席者の数を減らしたりする感染拡大防止策を取るよう要請している。

感染症による大規模な休校は、新型インフルエンザが流行した2009年5月、感染が拡大していた大阪府と兵庫県が全域での休校措置に踏み切ったケースがある。(共同)